紺屋の白袴

社保庁521億削減可能 こういうのを『紺屋の白袴』と言うのだろう。「会計検査院よお前もか」と思ってしまった。
 会計検査院のコンピュータシステムでは最も大規模な決算確認システムの運営経費が、稼動を始めた2003年度には2億4000万円かかったそうだ。2億4000万円は受託会社のNTTデータが随意契約で請け負った金額だそうである。NTTデータは翌2004年度もほぼ同額を提示したが、コスト削減の動きの中で見直しが行われ、8か月分を6500万円で請け負った。残りの4か月分を入札にかけたところ、日立情報システムズが330万円で落札し、2004年度の運営経費はは6830万円となったそうだ。NTTデータの8か月分の落札額を1年分に直すと9750万円となるが、日立情報システムズの落札額を1年分に直すと1320万円になる。2005年度分については、先月の入札でNTTデータが2003年度の請負金額の30分の1以下の730万円で落札したそうだ。
 まったく官庁は舐められっぱなしといっても、言い過ぎではないような有様である。NTTデータの企業倫理にもあきれるが(新聞では企業倫理にまでは触れていない)、舐められっぱなしの官庁はどう思っているのだろう。
 一般的に、大規模なシステム開発を請け負う業者は、受注金額を低めに設定して受注し、その後システム保守契約を結んで、トータルで儲けが出るようにする傾向にあるようだ。一旦開発を請け負ってしまうと、開発した業者ではないと保守ができないように見せかけて、継続して受注し続けるようだ。また、大規模システムの場合、運用を開始してから様々なシステムの不備が見つかる場合が多い。この場合、保守契約を結んでいると、システム改修費は保守契約費で賄えるが、保守契約を結んでいないと製造者責任を問われて、システム改修費の新たな負担が生じてしまう(システム改修費は製造者の自己負担)。このシステム改修費を見込んで2億4000万円と言う巨額に膨らんだのだろう。
 どっちにしても、会計検査院といえども国民の税金で運営されているのであるから、適正な金の使い方をしてもらいたいものだ。
by yousui-nobidome | 2005-03-02 05:45 | 日本を考える


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