ゆとり教育反対増加

ゆとり教育反対増加_a0006530_16363377.jpg 讀賣新聞社が実施した『教育』に関する全国世論調査で、国民の8割が子供たちの学力低下を『不安』に感じ、『ゆとり教育』を『評価しない』人が7割超に上ることが明らかになったそうである。
 今、政府が学校教育における『ゆとり教育』の見直しを進めているが、『ゆとり教育』とはなんだったのだろうか。私が『ゆとり』という言葉から受けるイメージは
「やらなければならないことは早くやってしまって、そのあと好きなことをやる」ということである。ダラダラやっていると、当然時間がかかり好きなことをやる時間がなくなってしまう。宿題の場合は、よく分かっていないと問題を解くのに時間がかかってしまう。だから、授業中はよそ見をしたりおしゃべりをしないで、先生の言うことをよく聞かなければならない。そうすれば、宿題も直ぐにできてしまう。それで空いた時間ができるので、好きなことができるのである。
 ところが、『ゆとり教育』の場合は、授業時間内で覚えなければならないことが多すぎる。覚えなければならないことを減らせば余裕ができるという発想である。しかも、土曜日を休みにして授業時間も減らしたのである。これでは学力が低下して当たり前で、向上したら、日頃から寝食を惜しんで猛勉強をしている人は浮かばれない。
ゆとり教育反対増加_a0006530_1754749.jpg ゆとり教育を始めた動機には、おちこぼれを防ごうという意図もあったはずである。難しいことをドンドン進められるので、授業について行けず勉強を放棄してしまう子を無くそうと考えたはずである。今回のアンケート項目には無いようであるが、もしおちこぼれが減少していればいいのだが、多分、減ってはいないと思う。勉強が難しい、理解できないでおちこぼれる子はいるだろうが、教え方が悪いから落ちこぼれる子の方が多いと思う。その教え方(教師の質)が変わってないのだから、落ちこぼれがいなくなるはずはない。教師の質「不満」6割に如実に現れていると思う。
 しかし、教師の弁護をするわけではないが、親の責任も問いたい。私の経験では、小学生の内は、家に帰ってきて自発的に勉強をする子はそれ程いないはずだ。親から言われて渋々やる子が大半ではないだろうか。特に低学年の場合は親が一緒になってやらないと進まないと思う。末娘の場合もそうで、授業ではどうしても覚えきれないので、妻が先生になって一緒に復習をやっている。分からないことを直ぐに聞けないと、もう先へは進めなくなってしまうのである。末娘の友達の子は、親が共稼ぎで、学校が終わると学童クラブへ行っていたが、そのうち末娘と一緒に『塾』へ行きだした。ところが暫らくするとサボりだし、友達と夕方遅くまで遊ぶようになってしまった。塾の科目も増やしたのでやりきれなくなってしまったのだろう。親は経済的、物質的に豊かになりたいと思って働いているのだろうが、肝心の子育ては放りっぱなしになってしまっている。中学生ならいざ知らず、小学校のときは親は必要な先生のひとりなのであり、親なしでは小学生の勉強は立ち行かなくなってしまうということを、もっと認識すべきだろう。
ゆとり教育反対増加_a0006530_17275697.jpg それでは経済的に母親が働かなければならない子どもたちやシングルマザーの子はどうするか。それこそ、今と違った形で学童クラブを設け、母親代わりの指導者を付ければいいのではないだろうか。これから少子化に向かうので、予算的にも十分確保可能だろう。
 中高一貫教育もいいが、1日の中での学校・家庭一貫教育が必要ではなかろうか。
 
by yousui-nobidome | 2005-02-07 17:37 | 日本を考える


<< 東京都北区で天然ガス噴出 用水路の1700万円 >>