自転車亡国論Ⅱ

 先日『自転車亡国論』を書いたが、その後、12月17日(金)の朝日新聞朝刊の『オピニオン 異議あり』に吉村作治名誉教授も『危険な自転車を止めろ 免許制の導入で』と主張されていた。概ね私と同じ感想を持たれていて、
「私と同じように考えている人もいるのだ」と安心した。
 しかし、教授は私よりもう1歩踏み込んでいて、
「自動車の運転と同じように、自転車も免許制にしろ!!」と主張されていた。それは、
「マナーやモラルではもう無理。日本の文明の これは末期症状です」という思いがあるようです。

 日本では自転車は年間約1千万台が販売されているそうで、1台を5年間乗るとすると6千万台が日本列島を走り回っていることになるそうだ。
 警察庁によると、2009年の自転車と歩行者の事故は2934件。自転車事故全体は減少傾向にあるが、対歩行者の事故は10年前に比べて3.7倍に増えているそうです。

 この状況を踏まえると、やはり教授の様に強硬論が出てくるのも仕方ないかと思う。しかし、自転車事故の場合(に限らないが)、加害者を罰するのも重要だが、負傷者の治療費も重要である。自動車の場合は自賠責保険に強制的に加入させられ、大方の人は任意保険にも加入して事故に備えている。自転車の場合はどうだろうか? 私は自分は自転車に乗らないが、家族が乗っているのでバイコロジー保険に加入している。でも、街で自転車に乗っている人はどうだろうか? そんなものに入りそうもない貧乏臭い人も結構乗っている。事故が起きた場合はどうするのだろう。免許制にするのもいいが、まず自賠責保険の自転車版を作るのが先決ではないだろうか。教授もこの点を指摘しているが。
 とにかく自転車に関する規制を強化して、取り締まる人を増やしても、それを破る人は必ずいる。例えば、運転中の携帯電話の使用は禁じられている。『取り締まりを強化する』と発表した当初は皆携帯電話の使用を控えていた。今はどうだろうか。運転中に携帯電話を使っている人は多い。飲酒運転や酒気帯び運転も取り締まりが強化されているが、一向に減る気配が無い。だから、取り締まりを強化してもイタチごっこであるマナーやモラルの向上こそが大事で、それも幼稚園児や小学生からのうちから身に付けさせる必要があると思うのである。
by yousui-nobidome | 2010-12-19 22:17 | 日日悶悶


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