景観権

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 国立市の方で『景観権』をめぐって裁判があった。駅前の「大学通り』に14階建てのマンションが建てられたが、
「大学通りの景観を壊すから、7階以上の部分を取り壊せ」と住民が提訴したものである。1審は住民側の勝利であったが、2審は住民側の敗訴となった。
 景観権_a0006530_16263245.jpg マンションを建てた業者は、提訴を受けたときにはビックリしたことと思う。何も法律や条例違反をしていた訳ではないし、建築確認も受けていたのである。市側は慌てて条例を作ったり、反対住民側に立つ人を市長にしたりしたが、無駄だったようである。
 私は美しい景観は残すべきだし、大切に保存していくべきだと思う。しかし、それは残すべき価値があるものに限定すべきだと思う。景観を保護するということは、他人の権利を制限することに他ならないからである。


景観権_a0006530_1632391.jpg 国立市の大学通りは、私も花見に出かけたことがある。桜並木になっていて見事な花を見せていただいた。しかし、高層マンションができたから景観が損なわれるというものではないだろう。周りは商店が連なっているが、雑多な印象を受けた。とても景観論争を起こすようなところではない。一部の住人が、
「今まで見慣れてきた景色が変わるのはイヤだ」と我儘を言っているように思える。
 景観を守ろうとするなら、自分たちも犠牲を払わなければダメで、他人がやることにケチをつけるだけではダメだと思う。マンションが建った土地が売りに出たときに買い取ればよかったのであろう。


景観権_a0006530_1645452.jpg この4枚の写真は私が住んでいる地域の写真である。私は、このような農地が残っているので、ここに住むことにしたのである。ところが、最近、農地がドンドン宅地化され、建売住宅が建てられている。これに対して、「景観権」をたてに住宅建設反対を唱えても、誰も取り合ってくれないだろう。それは自明の理である。
国立市の場合もそうではないのだろうか。
2審判決でも
「行政が総合的な見地から施策を推進すべきで、一部の住民に権利・利益を認めれば、かえって調和のとれた景観形成の妨げになる」といっている。
by yousui-nobidome | 2004-11-22 16:57 | 日本を考える


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