ベトナム戦争からイラク戦争

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 古本屋で「日本国勢図会1973年版」を購入した。1973年というと私が東京へ出てきて、社会人としての第一歩を踏み出した年である。当時と現在とを対比してみるのも面白いということで購入した。
 その中に「(特別資料)ベトナム戦争の終結」という記事があったので、ここに引用してみる。

 ニクソン米大統領は1973年1月23日(日本時間24日)、テレビを通じて北ベトナムと停戦について合意が成立したこと、(中略)を発表した。
「アメリカ介入の主眼は共産主義の拡張の防壁を築こうという、いわば世界の警察官としての姿勢を貫こうとしたことであった。しかし何もかもイデオロギーで総括しようとするアメリカの試みは挫折するよりほかなかったのである。」(毎日新聞、1973.1.25社説)


 今、アメリカがイラクに介入していることは、まさに「世界の警察官としての姿勢を貫こうとした」こと以外のなにものでもないだろうか。それに無条件に追随している日本はどうなのであろうか。

 (特別資料)には、こうも書かれている。
 ベトナム和平が日本に与える経済的影響としては、主として在日米軍支出の減少と南ベトナムを中心とした東南アジア向け輸出の減少があげられる。(中略)反面、復興需要が活発化するので、そのうめ合わせはつくものとみられている。しかし戦火で荒廃したベトナムで日本が何らかの利益を得ようと振舞うならば、世界中から非難攻撃を受けることになろう。


 イラク戦争の開戦前後から言われていることではあるが、イラク戦争の一つの目的に「イラクの石油利権の獲得」があるのではないかということである。米軍はイラク戦争に負けるわけがないので、アメリカに追随していなければイラクの石油利権を得られない恐れがある。その為に日本政府はアメリカに追随したのではないかと考えられる。
 もしそうであれば、「日本が何らかの利益を得ようと振舞うならば、世界中から非難攻撃を受ける」ことになろう。そうならないように、日本政府は気をつけなければならないと思う。
 口先だけで「イラク国民の幸せのために復興援助を行う」と言うだけでなく、実のある援助を行って欲しいものである。また、日本企業も目先の利益を追うことなく、長い目で見て、お互いの利益にかなうことをやって欲しいと、切に願うものである。
by yousui-nobidome | 2004-10-24 08:49 | 日本を考える


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