水俣病 国・県の責任確定

 10月15日に関西に移り住んだ水俣病の未認定患者が、国と熊本県に損害賠償を求めた「水俣病関西訴訟」の上告審判決が出た。判決では「水俣病の対策を怠った国と熊本県の責任を認定」し、患者側の勝訴となった。
 ここで考えなければならないのは、国や県はどのような責任を負っているかということである。「国民や県民の安全を守り保護するのが、国や県に負わされた最大の責任」ではないかということである。 
 現実に国民や県民が健康を害され、生活していくのが非常に困難な状況にあるという事実を見れば、判決がどうであろうと救済していくのが筋ではないのだろうか。裁判を起こされ、その判決が出るまで長期間ほっておくというのは、行政のあり方としては失格と言わざるを得ない。
 また、「国と県」が責任を追及されているが、実態は国と県の担当者に責任がある。1968年に公害病と認定されてから、担当者が何人も代わってきているが、その中の一人でも患者側にたったことをしていれば、もっと早くに解決を見ていただろうにと残念に思う。言い訳や言い逃れ、責任回避に走っていたことが解決を遅らせ、患者に苦しみを強いてきたのだと思う。
 今、世の中は不景気で、就職先に安定した収入が見込める公務員を志望する者が増えていると聞く。公務員を志望する者には、このことを重く感じていただきたいと切にお願いしたい。
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by yousui-nobidome | 2004-10-16 09:44 | 日本を考える


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